新型コロナウイルスの感染が急拡大するなか、3連休が始まった。9日から「まん延防止等重点措置」が適用される沖縄県の観光地では、
人出が前週と比べて大きく減少。東京の羽田空港では、PCR検査センターの前に並んだ旅行客から「どこまで感染者が増えるのか」と警戒と迷いの声が漏れた。

8日に国内で確認された新規感染者は8千人を超えた。沖縄県では同日、1759人の感染が確認され、3日連続で過去最多を更新した。

「4日ごろから急に通りに人がいなくなった。きょうも静かだ」。那覇市の観光地、国際通りで土産物屋を営む男性は8日、ため息をついた。
年末年始は帰省客や観光客でにぎわい、コロナ禍前の半分ほどまで売り上げが回復していた。「せっかく復活の兆しが見えていたのに……」

近くの居酒屋は、同県への重点措置の適用を受けて9日から休業する。売り上げの9割は観光客。
予約のキャンセルが相次ぎ、昨年11月に再開した三線(さんしん)のライブも6日から自粛している。店主は「店を開けても採算がとれない」とこぼす。

米軍岩国基地がある山口県岩国市も9日から重点措置の適用対象に。岩国市観光協会の米重良治事務局長は「観光客が日に日に減っている」と語る。

5連の木造アーチで知られる市内の観光名所、錦帯橋では、10日に正月飾りなどを焼いて1年間の無病息災を願う
「錦帯橋とんど祭り」が予定されているが、神事やぜんざいの配布は急きょ中止にした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE081O00Y2A100C2000000/