https://gigazine.net/news/20220112-vaccine-12-times-joint-pain-india/
今回、別人のIDカードを使って不正にワクチン接種を受けたとして訴追されたのは、インドのビハール州マデプラ県オライ村に住む84歳の元郵便配達員のBrahamdev Mandal氏です。同氏は、2021年2月13日から2022年1月4日の間に12回もワクチンを打っており、中には同じ日に30分おきに接種を受けたこともあるとのこと。


Mandal氏はワクチンを打った日付と場所に関する詳細なメモをとっており、そのメモには2021年2月から12月までに11回ワクチン接種を受けたことが書かれていました。12回目の接種は2022年1月に行われましたが、この際に不正が発覚し、これが原因でインド当局に摘発されることになりました。警察当局は、「Mandal氏にはインド刑法の3つの項目に違反した疑いが持たれている」としていますが、84歳と高齢であることから、温情のある措置がとられる可能性もあると報じられています。


報道機関の取材に応じたMandal氏は、マデプラ県内のさまざまな予防接種施設を回ったほか、隣県にも足を運んだと証言。12回も接種を受けたことについては、「パンデミックに強くなりたかったのと、8年間悩まされてきた関節痛がワクチンで消えたのが理由です。以前はつえをついて歩いていましたが、もうつえは要らなくなりました」と話しました。

さらに、記者に対して「ワクチンはとても効くので、みんなに接種を受けることを勧めています。腰痛にも効きますし、血中酸素濃度も上がりました。ワクチンを打ってからまだ1回も風邪を引いていないんですよ」と自慢げに語ったとのことです。

新型コロナウイルスワクチンは、原則として2回にわけて接種を受けることが規定されており、さらにアメリカなどでは3回目の追加接種が進められているほか、トルコでは5回目の接種も実施されているとのこと。しかし、12回もワクチン接種を受けたのは異例とされています。

保健当局は、12回も新型コロナウイルスワクチンの接種を受けることを推奨していません。また、インドの医師のチャンドラカント・ラハリヤ氏は「副反応は主に、1回目と2回目の接種時に表れます。それ以上ワクチンを打っても、すでに抗体ができた後で、ワクチン自体も無害な成分でできているので、特に害はないでしょう」と述べて、Mandal氏の健康被害は限定的だろうとの見方を示しました。

保健当局の目を盗んで不正にワクチン接種を受けたのは、Mandal氏が初めてではありません。2021年12月には、ニュージーランドの男性が、ワクチンを忌避しつつもワクチン接種者としての特典を得たい人から金銭を受け取り1日で10回もワクチン接種を受けたことが報じられています。