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英、コロナ感染者の隔離を5日に短縮

【ロンドン=佐竹実】英政府は13日、新型コロナウイルスに感染した人の隔離期間を5日に短縮すると発表した。人口の大半を占めるイングランドが対象。感染拡大に伴って医療従事者などの病欠が増えていることを受け、社会機能の維持を優先する。米国も5日間に短縮している。

17日から適用する。症状が出た日(無症状者は陽性確認の検査日)の翌日から5日目に簡易検査(抗原検査)で陰性となり、6日目も陰性で熱が無い場合はその日から隔離が不要となる。隔離終了後はマスク着用や在宅勤務を強く推奨する。

現状は6日目と7日目に陰性なら解放されるので、1日の短縮となる。5日目に陽性の場合は、2日連続で陰性が出るまで隔離する。感染した人との接触者に関するルールは変わらず、ワクチンを2回接種した接触者は7日間検査を受けるが、隔離の必要はない。ワクチンを接種していない接触者は、10日間の隔離が必要だ。

英政府によると、感染者の3分の2は5日目には感染性を持たなくなる。6日目に陰性となって隔離が解除される場合でも、7%の人は感染性を持っている可能性がある。英国では年明けに感染者が急増し、病欠による医療機関や公共交通機関への影響が深刻になった。そのため多少の感染リスクが残る状態でも隔離期間を短くし、社会を回すことを優先する。

変異型「オミクロン型」は重症化率がデルタ型よりも低く、英国の重症者や死者はこれまでの流行時のように増えていない。ジャビド保健相は13日、「2回の検査はバランスのとれた計画のために重要であり、安全を保ちながら自由を取り戻すことができる」と述べた。

2022年1月14日 4:52 (2022年1月14日 5:01更新)
日経新聞