毎日新聞 2022/2/3 20:06(最終更新 2/3 20:45) 528文字

 北海道新幹線の札幌延伸(2030年度末予定)に伴いJR北海道から経営分離される函館線長万部(おしゃまんべ)―小樽間(140・2キロ)の並行在来線の存廃を巡り、沿線9市町と道の協議が3日、倶知安(くっちゃん)町で開かれた。
このうち長万部―余市間(120・3キロ)は沿線7町が廃線を受け入れる意向を示し、バス転換することで一致した。小樽市は住民説明会後に判断するとして態度を保留し、余市町が存続を求める余市―小樽間の存廃が引き続き協議される。

 国土交通省によると、並行在来線の廃線は1997年の旧JR信越線横川―軽井沢間(11・2キロ)以来全国2例目。明治時代に開通し、かつては基幹路線として重要視された区間の廃線は、道内鉄道史の大きな転換点となる。

 3日の協議では、ニセコ、蘭越(らんこし)、黒松内(くろまつない)の3町が、鉄路を維持した場合に多額の赤字が生じることなどを理由にバス転換の支持を表明。既に支持を表明していた4町と合わせ7町の同意がまとまった。
一方、余市町は小樽方面への通勤、通学者が多いことなどから第三セクターによる鉄路の存続を要望。小樽市の迫俊哉市長は、どういう条件ならバス転換が受け入れ可能かを住民説明会に諮る考えを示した。【土谷純一】

https://mainichi.jp/articles/20220203/k00/00m/040/247000c