2022.02.16
著者:Hint-Pot編集部

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漫画のワンシーン【画像提供:ぞうむしプロ(@zoumushi6)】

 家の片付けや引っ越し、飲料水などを通販した時など“重いものを持ち上げる”機会は意外と多いもの。「うっかり腰をやってしまった……」という苦い経験をお持ちの人はいませんか? 運送業界で働く人たちのちょっとしたコツを描いた漫画が話題を呼んでいます。
ぞうむしプロ(@zoumushi6)のツイッターアカウントでトラックドライバーの怪談やライフハック、ヒヤリハットなどのショート漫画を発表している「ぞうむしプロ合同会社」さんに話を伺いました。

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「若くて筋力がある時にこそやるといいかもな」と親身にアドバイス

 重いものが入った箱を持ち上げる時、「どっこらしょ」と思わず言ってしまうことってありますよね。でも本当は、そうした気合だけで持ち上げていると、思わぬ怪我をすることがあります。

 ではそれを防ぐ方法とは? ぞうむしプロ合同会社さんの漫画はまず、トラックドライバーが積み込み場所で荷物を移動させているシーンから始まります。腰を伸ばしたまま前屈みで箱を持ち上げようとしている若いドライバーに、先輩ドライバーが「ちょっと待った」と一言。

 そして「腰で上げると痛めるからよ」と箱の前できちんとしゃがみ、「荷物を体に寄せて〜、背骨を伸ばして〜、足で上げる!」と実際の動きとともにしっかり指導。「若くて筋力がある時にこそやるといいかもな」と親身にアドバイスをしました。

 これは確かにその通り。製薬会社や病院のウェブサイトによると、前屈みの姿勢で重いものを持ち上げるなどすると、いわゆる「ぎっくり腰」を起こすことがあります。繰り返すと椎間板ヘルニアに至る可能性もあり、年齢を問わず気を付けたい症状だそうです。そのため先輩が言うように、予防のためには「腰ではなく足で上げる」ことが正解。

 この漫画がツイッター上で公開されると、何と11.2万件もの“いいね”を集めました。リプライ(返信)にも「これ、やり方知ってるのと知らないのでは雲泥の差」「ヘルニア持ちの先輩に教わりました」「日常的に小麦の袋25キロを何回も持ち上げたりしてました。
常にこの持ち方を心がけて11年、一切怪我なく過ごせました」「小柄女子で運送系にいますが、荷物を体にピタッとつけて運ぶクセを早々と身につけ、しっかり無事です」と共感の声が続々。やはり効果は高いようです。

 一方で「現場で数々の惨事を目の当たりにしました」「誰も教えてくれなかった。そのおかげで20年以上ヘルニアとお付き合い」という被害報告や、「バイクの免許を取る時も似たような教習ありますね。寝たバイクの起こし方」という応用編を伝える声もありました。





荷物の重心を変えるライフハックも 実は応用可能

 また、ぞうむしプロ合同会社さんは荷物運搬に関する別のライフハックも漫画にしています。それは「重い荷物を軽く感じる方法」。漫画ではまず、60キロの箱をトラック2台分、3階から5階の60部屋に運ぶという過酷な業務に携わった2人のスタッフが登場します。

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重い荷物を軽く感じるライフハック【画像提供:ぞうむしプロ(@zoumushi6)】

「覚悟決めて行くしかないっすね!」と背中に担いで運び始めた後輩スタッフ。そこで先輩は「重心が下になってんだろ? ひっくり返してみ?」とアドバイスします。すると後輩は「おおっ! 軽い!」とびっくり仰天。
「な? 何でか知らんけど、重心を上にすると軽く感じるんだよな」と語るのでした。ただし、天地無用(運搬時に上下が決められている)の荷物には使えませんのでご注意を。

 漫画では「使いどころが分からないライフハック」と称されていますが、実はリュックサックや非常持出袋にも応用が可能だそう。2018年には警視庁警備部災害対策課のツイッターアカウント(@MPD_bousai)も同じような内容を提唱していました。
そのツイートによると「重いものは上の背中側に、軽いものは下の外側に詰めるのがコツです」とのこと。今から早速見直してみたいですね。

https://hint-pot.jp/archives/112314/2/

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「なるべく体をひねったり角度をつけたりせずまっすぐ持つことを意識して」
https://hint-pot.jp/archives/112314/3