東洋経済オンライン 2/21(月) 4:31

 議論が前に進まない。九州新幹線西九州ルートのうち、佐賀県内を走る新鳥栖―武雄温泉間の整備方式を同県と国が協議する「幅広い協議」の第6回会合が2月10日に行われたが、今回も目立った成果はなかった。

 西九州新幹線・武雄温泉―長崎間の開業まであと半年あまりに迫るが、新鳥栖―武雄温泉間は整備スキームが決まらず、武雄温泉で在来線と新幹線を乗り換えての開業を迎えることとなる。

 同区間は、軌間の異なる在来線と新幹線の両方を走れるフリーゲージトレイン(FGT)を開発して在来線に乗り入れ、乗り換えなしで博多まで結ぶ案がもともと本命視されていたが、試験中の不具合を受け国は開発を断念。代わって佐賀駅を経由する新鳥栖―武雄温泉間の新幹線フル規格化が新たな本命として浮上した。しかし、フル規格での整備は佐賀県にも一定の事業費負担が求められるため、県は国の説得に耳を貸さない。

■一歩進展と思われたが…

 このままではらちが明かないと判断した国は、フル規格を前提としないゼロベースでの議論を2020年6月から県と続けてきた。2021年5月31日の第4回会議では、県のほうからフル規格については佐賀駅を通るルート以外に佐賀空港を経由する南回りルート、佐賀市北部を通る北回りルートも比較検討してほしいという提案が出された。

 さらに、国が開発を断念したFGTについても最高時速270kmではなく最高時速200km程度なら開発が可能か検討してほしいという提案も出た。膠着状態だった議論が一歩進んだように感じられた。

 しかし、同年11月22日の第5回会議ではせっかくの雪解けムードが打ち砕かれた。ゼロベースで議論するはずが、県は国が佐賀駅経由のフル規格ありきで説明していると受け止めた。それが端的に表れたのは、国が示したルートが描かれた地図や建設費、所要時間、投資効果などの試算表だ。北と南のルートにはそれぞれ「参考」の2文字が書かれていた。

 「北のルート、南のルート、真ん中のルートを3つ並べて比較しましょうとわれわれは言っているのに、北と南は“参考”というのが国の捉え方なのか。議論はゼロベースでフラットにやっていただきたい」。県の山下宗人地域交流部長がこう批判すると、国土交通省の川島雄一郎鉄道課長は「北と南のルートは、具体的なルートや駅が定まっていないなか一定の仮定を置いて示したので“参考”とさせていただいた」と弁明した。

 とはいえ、“参考”という言葉に他意はないとしても、これまでの経緯を考えれば、誤解を招くような使い方は避けるべきだった。

 南回りルートの事業費についても県がかみついた。用地、トンネル、駅など構造別に示された費用の合計は約1兆1300億円。佐賀駅経由ルートと比べると整備延長はどちらも約50〜51kmで大差ないが、南回りルートの建設費は佐賀駅ルートのおよそ2倍だ。割高となる理由は、南回りルートは軟弱地盤を貫くトンネル建設費が非常にかさむためということだったが、山下部長は、「北陸新幹線の金沢―敦賀間の事業費は1km当たり146億円で、北アルプス北側の難工事箇所が1km当たり221億円。これに対して、南回りルートは全体で1km当たり221億円。こんなところは日本全国どこにもない。ちょっと現実離れしている」と首をひねる。

 FGTが最高時速200km程度で営業運転可能かという点についても、「開発を断念したので難しい」という国の説明に、県は「可能性はあるはず」と納得せず、次回の協議でさらに深掘りすることとなった。

 そして2月10日、FGTを主題とする6回目の協議が開催された。しかし、両者の主張は平行線をたどったままだった。

※続きはリンク先で
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/5294044bce566d5539532114450fa8245e147b2c&preview=auto
九州新幹線長崎ルートでの導入を念頭に開発されていたフリーゲージトレイン(FGT)3次試験車=2014年(編集部撮影)
https://i.imgur.com/WBho5ZT.jpg
https://i.imgur.com/NfXYsak.jpg

★1:2022/02/21(月) 10:38:59.24
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