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 瀬戸内に春を告げるイカナゴのシンコ(稚魚)漁が1日、大阪湾と播磨灘で解禁された。
6年連続の不漁予報が出る中、初日の水揚げは回復の途上を感じさせるスタートとなった。
ここ数年は不漁で、今年も兵庫の漁港の取引では平年の数倍の高値が付いた。

大阪湾で操業する神戸市漁協の漁師らは夜明け前、垂水漁港などから約70隻に乗って出港。午前6時20分、一斉に網を投げ入れた。
神戸市垂水区の垂水漁港では午前8時ごろから漁船が戻り、水揚げの量は昨年を下回ったが、2年前よりは多い約6トンだった。
入札では、仲買人らが体長4センチほどのシンコを品定め。1籠(25キロ)6〜8万円台と、約10年前の数倍の値が続いた。
漁師の福田昌宏さん(32)は「値段が高いと消費者に届きにくいので微妙な気持ち」と話した。

播磨灘に面する明石市の林崎漁港では、初荷は1籠8万円の値が付いた。
仲買人の鶴谷真宜さん(42)は「昨年より一回り小さく、くぎ煮に適したいいイカナゴだ」と話した。
姫路市の妻鹿漁港では、シンコを積んだ漁船が港に戻り、列をつくった。漁師の男性(46)は「量は昨年よりは断然多く、大きさも程よい」とほっとした様子だった。

シンコ漁は2017年から極端な不漁が続き、1カ月余りあった漁期は数日間から約10日間に短縮された。
20年に142トンと過去最少だったが、昨年は1467トン(速報値)と回復の兆しがあった。