※2022/03/07 08:00AERA dot.

ウクライナに侵攻したロシア。プーチン大統領は何を考えているのか。AERA2022年3月14日号では「ウクライナとロシアの現実」を緊急特集。彼と4回会ったことがあるという鈴木宗男・参議院議員に聞いた。
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 プーチン大統領の考えを理解するには、東西冷戦が終結した頃からの歴史を俯瞰する視点が必要です。
 1989年にベルリンの壁が崩壊し、ブッシュ(父)米大統領とゴルバチョフ・ソ連書記長の間で東西ドイツの統一に向けた議論が始まりました。その時、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大はしない、と米国はソ連に約束しました。
 文書化されていませんが、当時のベーカー米国務長官の回顧録『シャトル外交 激動の四年』(新潮文庫)にも、1990年2月9日のベーカー国務長官とゴルバチョフ氏の会談で「1インチたりとも拡大しない」と伝えた場面が紹介されています。
 ゴルバチョフ氏は西側を信頼し、ワルシャワ条約機構を91年に解体したのです。
 この頃、KGB職員として東ドイツにいたのがプーチン氏でした。ところがNATOはその後、東方拡大を進めました。
 プーチン氏は一方的に約束を反故にしてきた米国の信義違反を繰り返し批判してきました。ゴルバチョフ氏はノーベル平和賞を受賞しましたが、結果として「弱いロシア」になってしまった。プーチン大統領には、西側を善意に解釈したゴルバチョフ氏の愚は繰り返さない、という強い決意と覚悟があります。
 NATOに加盟した旧ソ連の国々にはロシアに照準を向けたミサイルが配備されています。ウクライナまでNATOに加盟する事態をロシアは看過できません。
 しかし、今の日本のメディアを見ていると、「ウクライナが善、ロシアが悪」という構図の報道ばかりが目につきます。これはちょっと短絡的すぎる。ウクライナのゼレンスキー大統領に何らの過ちもなかった、というのは公平な見方ではないと思います。

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