仕事を終えてから次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」について、運輸業界の自動車運転手を対象に「11時間以上」とする努力義務が設けられる見通しになった。義務とする時間も1時間延ばして9時間以上とする。他産業では一般的にインターバルの長さに具体的な定めがなく、欧州連合(EU)が義務づける11時間の休息を企業へ直接求めるのは国内で初となる。

 厚生労働省の有識者検討会で16日、バスの運転手に必要なインターバルについて合意した。タクシーやトラックの運転手についても同じ方向で議論する。2024年4月に施行する。

 運輸業界は深夜や未明に及ぶ長時間労働が多いうえ、人手不足も深刻だ。働き方改革関連法が19年に残業時間の上限規制を設けた際には、特例で適用が5年間猶予され、業界独自の対策を検討していた。

 今回まとまったバス運転手のルールでは、インターバルは運輸業界で8時間以上と義務づけてきたのを9時間以上に改めたうえで、「11時間以上与えるよう努めることを基本」と位置付けた。1日の拘束時間は原則13時間以下とし、最大で15時間まで延長できる。14時間超の延長は努力義務として週3回までとするよう求めた。1週間や1カ月、1年間の拘束時間と合わせることで、事実上は拘束時間の延長を無限定にはできないようにする。

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