ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、ウクライナ側の激しい抵抗だけでなく、欧米諸国をはじめとする国際社会の強烈な反発を招きました。ロシアは世界から孤立し、経済制裁で大きな打撃を受けています。

 こうした大きな痛手を負うと知りながら、ロシアはなぜ、言語や文化が極めて近い「兄弟国」のウクライナへの攻撃に踏み切ったのでしょうか。

 「ロシア、そして国民を守るにはほかに方法がなかった」。ロシアのプーチン大統領は2月24日、攻撃開始を宣言する演説でそう述べました。親ロシア派の組織が占拠しているウクライナ東部で、ロシア系の住民をウクライナ軍の攻撃から守り、ロシアに対する欧米の脅威に対抗するという「正当防衛」の主張です。

 ロシアは、東西冷戦時代からの西側諸国の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)が自分たちを敵とみなしてきた、と主張してきました。

 ウクライナはかつてロシアを中心とするソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)の構成国でしたが、ソ連が崩壊したことで独立。いまのウクライナのゼレンスキー政権は親欧米で、NATOへの加盟を目指しています。

 ロシアにとって、これはがまんがならない。そのため、いろんな理由をつけてゼレンスキー大統領を何とか武力で排除し、ロシアに従順な国に変えてしまいたいのです。ウクライナを影響下に置けば、地理的にもNATOに加わっている国々とロシアとの間のクッションにもなります。

 でも、戦争の代償の大きさを考えれば、攻撃の開始を理性的に判断したのかどうか疑問が残ります。プーチン氏はかねてウクライナ人とロシア人は「歴史的に一体だ」と主張し、ウクライナを独立した存在として認めてきませんでした。そうした独自の歴史観や国家観が影響した可能性も否定できません。(石橋亮介)
朝日新聞社

https://news.yahoo.co.jp/articles/07a235a9479ad45d73fdc265e5085b8d1f45fc74

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