つくばエクスプレス茨城県内延伸案、選定加速 4方面の調査、5月開始


つくばエクスプレス(TX)の茨城県内延伸構想が加速する。県が調査検討事業費を初めて計上。来月、四つある延伸方面案の需要調査が始まり、来年春にも、一つに絞り込まれる。構想実現に期待する関係者からは「英断」と歓迎する声とともに、「拙速は避けてほしい」との声もあり、適切な判断が求められる。

■議論を前に進める
「TX延伸を巡る環境は調べれば調べるほど難しいと分かってきたが、延伸案がどっちつかずでは議論を前に進めるのは難しい。いま調査すべきだ」

実現すれば茨城県の将来像を大きく左右するTX延伸構想の議論について、大井川和彦知事は2月、予算案とともに説明した。同案には、県内延伸の調査検討事業費1800万円を初めて盛り込み、3月の県議会で可決された。

TXは秋葉原-つくば駅間を最速45分で結び、2005年8月の開業以来、運行区間は変わっていない。県内延伸はつくば駅から先のルートを想定する。

延伸案は、@筑波山方面A水戸方面B茨城空港方面C土浦方面-の四つ。

各案を巡っては、それぞれ期待の声が寄せられる。筑波山方面案には、筑波山を軸にした観光振興。水戸方面案には、県庁所在地の水戸とつくば両市を結んだ上での県北振興。茨城空港方面案は、首都圏の空港として存在価値が高まることでの経済発展や観光振興。土浦方面案では、常磐線と接続することで、交通利便性が飛躍的に向上するといった見方が目立つ。

■需要や費用対効果
第三者委員会のメンバーは、学識者や経済界、県議会、市町村、鉄道事業者などで構成される。国の研究機関と協力し、需要予測や費用対効果などを調査し、4案から絞り込む。

スケジュールは、需要予測調査などを5月に開始。調査結果を基に12月から来年2月まで、第三者委員会で検討。2月にパブリックコメント(意見公募)を行った上で県に示す。

4案は、県総合計画(18〜21年)で、公共インフラ基盤の将来像を示す「2050年ごろの茨城の姿」の中で位置付けられた。本年度開始の新県総合計画でも引き継がれた。

4案は、18年度当時、地元自治体の調査検討や誘致活動が行われていた地域を延伸方面案として整理し、同計画に位置付けた。

県交通政策課によると、当時、土浦方面案は土浦市が、筑波山方面案はつくば市がそれぞれ検討。茨城空港案は小美玉市議らが中心となって誘致活動を展開している。水戸方面案は「第二常磐線」構想として、東京、つくば、水戸を結ぶ案が基になった。

■拙速にならぬよう
TXは1978年、在来の常磐線の混雑緩和を目的に、第二常磐線構想として打ち出された。

85年には、つくば市で国際科学技術博覧会(科学万博)が開催され、半年間に2千万人超の来場者が訪れた。地域振興の持続拡大が求められる中、1都3県の知事による推進協議会が設置され、秋葉原からつくばに至る「常磐新線」計画がTX開業につながった歴史的な経緯がある。

延伸方面案の決定は来年3月を予定。ことし3月の県議会では、議員から「スピード感は結構だが、拙速にならないようお願いする」「県民みんなが延伸して良かったという結果につながることを祈る」など、期待する声とともに適切な判断を求める声が相次いだ。

★TX
2005年に開業し、16年が経過した。鉄道利用者は増加の一途をたどり、09年6月に初の営業黒字を達成。10年5月に開業時目標の「1日当たり平均輸送人員27万人」を1年前倒しで達成、15年10月に累計輸送人員10億人を突破した。県内沿線では宅地開発が進み人口が急増。都心までのアクセスの良さや大学、研究施設が多い環境などを理由に、つくば市内を中心に企業の設立も相次いでいる。

茨城新聞社2022年4月7日(木)
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16492513706936

★1:2022/04/09(土) 06:26
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