※2022/04/11 14:44時事通信

 【ロンドン時事】ウクライナに侵攻したロシア軍が首都キーウ(キエフ)近郊で多数の民間人を残酷な方法で殺害した疑いが強まったことで、停戦に向けた機運がしぼみ、戦争終結への道筋は一段と描きにくくなった。市民の「虐殺」が明らかになったのを受け、ウクライナが態度を硬化させているためだ。

 ウクライナは3月末、ロシアとの停戦交渉で、2014年にロシアが併合した南部クリミア半島の帰属棚上げを提案した。英政府関係者によると、ウクライナはクリミア半島だけでなく、東部ドンバス地方で親ロシア派勢力が侵攻前に支配していた領域についてもロシアによる占領を一時的なものとして容認。一方、その他の地域からのロシア軍全面撤退を促し、占領地の帰属は今後の協議に委ねる停戦案を大筋で受け入れる方針だった。停戦案に関しては欧米主要国とウクライナとの間で討議されている。

 ところが今月に入り、キーウ西方のブチャで住民の「虐殺」疑惑が明るみに出た。実態が明らかになるにつれ、「固まりかけた(停戦に向けた)合意案は瓦解(がかい)し、(戦争の)先行きがまったく見えなくなった」(英政府関係者)という。

 ウクライナはロシアとの交渉そのものは続ける考えだが、英政府内では「ウクライナにとって大勢の市民が無残に殺された上、一部領土の占領を認めるのは受け入れ難いだろう」との声が上がる。

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