森友学園の籠池理事長夫婦が国などの補助金をだまし取った罪に問われた裁判で、2審の大阪高等裁判所は、2人にいずれも実刑判決を言い渡しました。

森友学園の理事長、籠池泰典被告(69)と籠池諄子被告(65)夫婦は、小学校の建設工事や幼稚園の運営をめぐり、国や大阪府、それに大阪市の補助金、合わせて1億7000万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われました。

1審はおととし2月、
▽理事長に懲役5年の実刑を、
▽妻には一部を無罪としたうえで、執行猶予のついた有罪判決を言い渡し、夫婦と検察の双方が控訴していました。

18日の2審の判決で、大阪高等裁判所の西田眞基裁判長は籠池被告について「小学校の設計業者に対して補助金を『国から多めにもらって建築費に充てよう』などと発言しており、みずからの判断で虚偽の申請をしていた」などと指摘し、1審に続いて懲役5年を言い渡しました。

また、諄子被告については「学園は家族経営であり、書類の内容などから理事長が水増し請求を行っている認識はあった」などと判断して、一部を無罪とした1審判決を取り消し、懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

籠池夫婦 「結論ありきの判決だ」判決不服として上告
判決について、籠池被告は「思っていたような判決ではなかった。高裁の裁判長は2審が始まったときから私たちの主張をすべて退け検察官の主張を補強するような横暴極まりない裁判の進め方をしていて、どう有罪にすればいいのかと、結論ありきの判決だった」と話しました。

また、諄子被告は「無罪で絶対に負けないと思っていた。裁判官と検察官が仲間になっていて、えん罪が多く生まれているので司法改革をしてほしい」と話していました。

夫婦は、いずれも判決を不服として上告したということです。

4/18 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220418/k10013587741000.html