ワクチン4回目接種、60歳以上と基礎疾患者を軸に検討 政府
毎日新聞 2022/4/20 20:33(最終更新 4/20 20:33) 596文字
https://mainichi.jp/articles/20220420/k00/00m/010/249000c

新型コロナウイルスワクチンの4回目接種について、政府は60歳以上の人や基礎疾患のある人を軸に対象者を絞る方向で検討に入った。27日に開かれる予防接種・ワクチン分科会に提案し、議論を踏まえ正式に決定する。これまで幅広い年代に接種を続けてきたが、重症化リスクの高い人に限定することで、国のワクチン接種の位置づけが大きく変わることになる。

 ワクチンの効果は時間の経過とともに低下し、追加接種を受けて回復することが知られている。しかし、4回目の接種は有効性に関するデータが限られる。先行するイスラエルで実施された60歳以上を対象とした研究では、米ファイザー社製の3回目接種から4カ月以上空けて同じワクチンを接種した場合、重症化予防効果が4倍になった。


 4回目接種を進める国では高齢者や基礎疾患がある人らに対象を絞っている。米国では50歳以上と免疫不全の人、欧州連合(EU)の薬事当局は80歳以上に接種を認めている。

 政府はイスラエルのデータを基に60歳以上を軸に議論を深める方針だ。これまで優先的に接種を行ってきた医療従事者は含めない方向だが、さらに検討を進める。コロナワクチンの接種を受ける対象者が絞られるのは初めてとなる。

 厚生労働省はこれまで、3回目接種を受けたすべての人が対象となることを想定し、自治体に対して5月末をめどに接種券や会場など4回目接種の準備を進めるよう求めていた。【金秀蓮】