新型コロナウイルスの感染者数の高止まりが続く中、感染後の後遺症に苦しむ患者の増加が懸念されています。

後遺症外来を開設した医師は「無症状でも、時間が経ってから後遺症の症状が現れることがある」として不安があれば相談して欲しいと呼びかけています。

WHO=世界保健機関の定義によりますと、新型コロナウイルスの後遺症とは、少なくとも2か月以上持続し、
他の病気による症状として説明がつかないものを指します。

症状は倦怠感や息切れ、記憶障害、脱毛などさまざまですが、原因や治療法など医学的に明らかになっていないことが多いのが特徴です。

上越市の新潟労災病院で、去年10月に「コロナ後遺症外来」を開設し、後遺症とみられる症状がある40人以上の診察にあたってきた入江誠治医師は、
無症状でも後遺症の症状が現れることがあるとしています。

入江医師によりますと、重症化しにくいと言われているオミクロン株への感染でも、
デルタ株のときと同様に後遺症の症状を訴える人が診察に訪れていて、感染者数が高止まりしている中で、後遺症患者の増加が懸念されています。

また、患者の特徴としては、10代から30代の若い年代が大多数を占め、仕事や日常生活に影響が出ている人もいるということです。

入江医師は「感染しても無症状とか症状がとても軽かった人でも、後遺症が出ることが大いにある。
感染からやや遅れて倦怠感とか不眠とか筋肉痛とかという症状が出てくることもあるので、不安があれば相談してほしい」と話しています。

また入江医師は、大型連休を迎えるにあたり、感染のリスクや、後遺症で苦しむ人を減らすためにも、
マスクの着用や換気など基本的な感染症対策を徹底して欲しいとした上で、「その後の人生が一変してしまうような後遺症もあるので、
一時の発熱とか倦怠感が嫌だからと言ってワクチンを打つのを避けないで欲しい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20220425/1030020894.html