※2022/05/11 20:43毎日新聞

 アダルトビデオ(AV)の出演強要被害を防止するための法整備を目指す与野党6党は11日、国会内で会合を開いた。自民、公明両党が示した、撮影から一定期間は無条件に契約を解除できるなどとする法案を協議した。与野党は今国会中の成立に向け週内の合意を目指すが、被害者支援団体は「性搾取を合法化する」と猛反発。超党派の枠組みにほころびが生じる可能性もある。

 11日の会合には自公のほか、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の実務者が出席した。与野党は月内に議員立法で法案を国会に提出し、6月15日の会期末までに成立させる方針を確認。会合後、自民の宮崎政久氏は「すべての党と建設的な意見交換ができた」と語り、12日も協議を継続すると説明した。

 議論の発端は、4月1日の改正民法施行により成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことだ。民法では、未成年者が親らの同意を得ずに契約を結んだ場合は、原則として契約を取り消せる「未成年者取り消し権」が規定されている。だが、新たに成人となった18、19歳は取り消し権を喪失し、出演強要の被害が増えるおそれが指摘された。自公両党の呼びかけで4月から与野党協議を続けている。

 法案は、出演契約を交わしてから20日間が経過しなければ撮影はできない▽撮影後3カ月が経過しなければ作品を公開できない▽無条件に契約解除できる期間は公表から1年間▽契約の不実告知には3年以下の懲役――などの内容。野党側も期間の延長を求めるものの、法案の方向性におおむね賛同している。

 だが、支援団体は法案への批判を強めている。9日に6党が実施したヒアリングでは、18、19歳について無条件・無期限の契約解除権の導入を求め、法案がAVを「性交または類似行為を行う姿態」などと定義したことを問題視する意見が相次いだ。NPO法人「ぱっぷす」の中里見博副理事長はヒアリング後、「性行為に金銭が支払われる行為が合法化されることになる」と訴えた。

続きは↓
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/politics/mainichi-20220511k0000m010440000c