元女性係長「情報をネタに会話するため」…保育料減免を申請した市民の名簿漏らす

 岩手県釜石市職員2人が住民基本台帳に登録された全市民の個人情報をメールで自宅に送るなどして外部に持ち出した問題で、総務企画部の元女性係長(懲戒免職)が、建設部の元男性主査(同)以外の職員にも市民の個人情報を漏らしていたことが市への取材でわかった。元係長は複数の職員と個人情報の送受信をしており、市は漏えいに関与した職員がさらに増えるとみている。

 市によると、元係長は昨年2月、保育料減免を申請した市民の名簿を業務用パソコンから職員1人のパソコンにメールで送信した。送られた職員は元主査以外の人物で、元係長は「情報をネタに会話するためだった」と話しているという。

 また元係長は、市民の保育料の滞納情報などを業務用チャットで元主査以外の複数の職員に送っていた。

 元係長は、住基台帳を閲覧できる権限のない部署に異動した際は、元主査に頼んで情報を送ってもらうなど、主導的な役割だったとみられる。市が今月、元係長と元主査のメール送受信の履歴を見たところ、第三者への流出は確認できなかったが、全容解明のために2人を住民基本台帳法違反容疑で刑事告訴している。

読売新聞 2022/05/28 20:50
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220528-OYT1T50105/