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2017年に20年ぶりに一般公開された「山姥切国広」。連日多くの観覧者でにぎわった=2017年3月7日午後0時3分、太田穣撮影

名刀「山姥切国広」足利市が取得交渉へ ゲーム「刀剣乱舞」で人気
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 安土桃山時代の刀工・堀川国広が足利領主・長尾顕長の依頼で鍛えたとされる刀「山姥切(やまんばぎり)国広」(個人蔵、国重要文化財)について、栃木県足利市の早川尚秀市長は10日の市議会全員協議会で、所有者が市に管理を任せたい意向を伝えてきたことを明らかにし、取得に向けた交渉に入る考えを示した。

 山姥切は国広が足利滞在中の1590年、顕長が北条氏政から譲り受けた備前・長船長義の刀「本作長義」(徳川美術館所蔵、同)を写して鍛えたと伝えられる。オンラインゲーム「刀剣乱舞」でも人気のキャラクターで、市が所有者から借りて市立美術館で展示した17年と今年の特別展には全国から多くのファンが訪れた。

 市は歴史・文化と観光、経済の連携強化を図っており、全国区の知名度のある山姥切国広については、商業界や市議会の一部から取得を求める声が上がっていた。

 この日の議会全協の冒頭、早川市長は所有者から9日、「山姥切国広を愛してくださっている皆様に」と題したメッセージが市に寄せられ、この中で「手放すのは断腸の思いだが、信頼できる足利市にお任せするのが一番良いのではないか」との意思表示があったことを明らかにした。寄託、売却など具体的な移管の方法については示されておらず、市は所有者との協議で詳細を詰めるという。

 早川市長は「ありがたいメッセージ。430年以上大切にされてきた足利ゆかりの刀を、責任をもって後世へ引き継ぎたいという思いを伝え、誠意を尽くして話し合いたい」と述べた。【太田穣】

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