※6/28(火) 9:05 荒川和久独身研究家

年収200万円の暮らしとは?
つい最近、「年収200万円」という言葉が話題になった。これは、『年収200万円で豊かに暮らす』(宝島社)という書籍のタイトルに対してツイッターユーザーが「色々と地獄を感じた、これを見た時」と書き込んだことがきっかけだった。

「年収200万円で豊かに暮らせるのか?」という議論はさておき、一般的にいえば、国が定める文化的で最低限度の生活費が年収換算156万円程度であることから鑑みても、年収200万円では最低の暮らししかできないレベルであることは間違いない。最低の暮らしでも豊かに暮らすというのは、もはや精神論の話なのだろうか。

もちろん、現実問題として得られる収入の中でどう暮らしていくか、という話は重要だが、だからといって「年収が高くなればなるほど人間は幸せになれるわけではない。800万円以上になれば幸福度は変わらない」などという論法を持ち出して、だから「足るを知れ」などというのは乱暴だろう。

年収800万円の不幸度と年収200万未満の不幸度とでは比較にならない。後者は生命の危機すらあり得る。

年収200万くらい稼げるでしょ?
ところで、この話題の渦中においても「年収200万未満なんか実際そんなにいないでしょ?普通に就職して初任給レベルでも簡単に超えるでしょ」のような恵まれた人の書き込みも散見された。

実際に、いろいろな記事で国税庁の民間給与実態調査の数字などを使って、年収200万未満はせいぜい1割のようなものもあった。同調査の数字は、配偶関係の区別がないものであるが、これが未婚と既婚とで見ると大きく違う。

かつて、私は”「高望みはしません。年収500万円くらいの普通の男でいいです」という考えが、もう「普通じゃない」件” という記事で、全国の20-50代未婚男性の年収分布を公開した。

詳しくはその記事をお読みいただきたいが、結論からいえば、年収400万円以上の未婚男性は年齢層を20-50代まで拡大してもたった28%しかいないのである。これは有業者のみの統計なので、当然学生など無業者は含まれていない。

これを出した時も、多くの人から「え?そんなに少ないの?」と驚きの声をいただいた。中には「そんな人、本当にいるの?私の周りにはそんな人いない」という声もあった。

それはそうだろう。たとえ存在したとしても、興味のない人間は目に入らなくなるだけだからだ。悲しいかな、そういう人間そのものを透明化してしまう癖がある。

20-30代未婚男性の現実

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https://news.yahoo.co.jp/byline/arakawakazuhisa/20220628-00302967?s=09