米国がウクライナに提供した高機動ロケット砲システム(HIMARS(ハイマース))について、ロシア国防省が6日、「破壊した」と発表したところ、ウクライナ軍が「でっちあげだ」と否定した。真偽は不明だが、長距離砲の成果は膠着(こうちゃく)する戦線の行方を左右しそうで、ウクライナ側はさらなる調達を急いでいる。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は6日夜のビデオ演説で「ようやく、パートナーから受け取った大砲が非常に強力に機能し始めたと感じられる。その精度はまさに必要なものだ」と語った。「ロシア側の重要な拠点などに非常に顕著な打撃を与え、攻撃力を著しく低下させている」とした。

 HIMARSは戦略目標を遠くの場所から正確に攻撃できる。東部戦線で苦しむウクライナにとって、反撃に向けた要の武器となっている。米国は8基のHIMARSの提供を約束し、少なくとも4基はすでに戦線にあるという。

 ロシア国防省は6日、東部ドネツク州の集落で、「高精度ミサイルが、2基の米国のHIMARSと二つの弾薬庫を破壊した」と発表した。これに対し、ウクライナ軍合同特殊部隊は「現実に即しておらず、でっちあげ以外の何物でもない」との声明を発表した。
朝日新聞社
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