自民党の安倍晋三元首相が8日、奈良県橿原市の病院で死去した。67歳だった。
安倍氏は同日午前11時半ごろ、参院選の街頭演説を行っていた奈良市の近鉄大和西大寺駅前で街頭演説中、
元海上自衛隊員の職業不詳山上徹也容疑者(41)に背後から撃たれた。

◆ジャーナリスト江川紹子さん 日本の民主主義が音を立てて崩れていくような思いだ。
事件の背景は明らかになっていないが、為政者に対する異議申し立てや抗議は言論と投票行動によって行うのが鉄則だ。
事件を受け、今後は安全確保や治安維持といった理由から、政治家が国民の前で話す機会が減ったり、
警備が厳重になってプラカードすら出せなかったりするようになることが懸念される。
事件を契機に、正当な批判すら許さない雰囲気が社会に広がることを心配している。

◆日大危機管理学部の福田充教授 SP(警護官)の数などは、元首相の地方遊説としては一般的だったのかもしれないが、
結果的には至近距離から撃たれており、批判は免れない。近年は無差別テロが主流のため、
日本で要人を狙ったテロは起こらないという危機意識の緩みがあったのではないか。
選挙の遊説は行動が把握しやすく一般人が近づきやすい特性もある。
動機を分析するとともに、要人の遊説を先進7カ国首脳会議(G7サミット)や五輪に準ずるレベルで警備するべき案件と捉え直すべきだ。
https://www.nikkansports.com/general/news/202207090000089.html