2022.08.11 くるまのニュース編集部


道路の正面に山が現れることがありますが、これは設計された結果の景色なのでしょうか。山の多い日本を走ってみると、このような「山アテ」道路が実は都会から地方まで存在します。
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全国各地にある「道の先に山」

 道を走っていると、景色が開けて目の前に大きな山がドーンと現れることがあります。

 堂々とした山容は見ていて気持ち良く、その眺めを“特等席”から堪能できるのもドライブの醍醐味の一つと言えるでしょう。

 このように、正面の山へ続いている道を「山アテ道路」といいますが、果たしてそれは偶然できるものなのでしょうか。

新東名高速から見た富士山(画像:写真AC)
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 中央道の下り(名古屋方面)を走っていると山梨県内の韮崎ICを過ぎた辺りで、大きな八ヶ岳が正面に現れます。

 路肩には「八ヶ岳連峰/最高峰(赤岳)2899m」と書かれた標識が。道路を管理するNEXCO中日本によると、こういった山を案内する標識は「単調な走行を楽しくさせたり、道路利用者に適度な刺激を与えることで、利用者サービスや交通安全の向上を図ることや、道路利用者の位置確認のために設置」しているといいます。

 ちなみに同じ区間の上り(東京方面)では、遠くに富士山が顔をのぞかせています。

 関越道の下り(新潟方面)では、群馬県内の高崎ICを過ぎた辺りで、正面に榛名山を望めます。

 高速道路だけではありません。

 青森市の国道7号では、20kmほど先にある県内最高峰の岩木山(標高1624m)を正面に捉えられる直線区間が900mほど存在。津軽富士の異名を持ち、太宰治が『津軽』で「十二単を拡げたようで、透き通るくらいに嬋娟たる美女」とたとえた山容を鑑賞できます。

 このように、山の多い日本では山アテ道路の例がいくつも挙がりますが、もちろん、地形や街並みにあわせてルートを選んだ結果、「山アテ」になってしまったという区間もあるでしょう。

 しかし、意図して山アテにしたと考えられる道路もいくつかあります。

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