2022年8月16日18:50

 北海道内でオレオレ詐欺の被害が相次いでいます。 被害に遭いそうになった女性と、食い止めた郵便局員がやりとりの一部始終を語ってくれました。

 水上 孝一郎 記者:「7月29日朝、こちらの郵便局を訪れた80代の女性。孫を名乗る男からある頼みごとをされていました」

 孫を名乗る男:「書類の補填をするのに現金が必要になった。いくら準備できる?」

 始まりは男が女性の自宅にかけてきた1本の電話でした。「仕事の書類が入ったカバンを電車に置き忘れた」などとして現金を要求すると、話を信じた女性は150万円を引き出そうと札幌・手稲区の郵便局を訪れます。 

 窓口で対応した職員は「孫がとりにくる」と話す女性に違和感を覚え「警察に通報する必要がある」として女性に男と連絡をとるよう促すと…。

 孫を名乗る男:「警察が絡んだらおろせなくなる!もう縁を切る!連絡しない」

 男は激高し電話を切りますが、再び女性に連絡してきたといいます。

 孫を名乗る男:「いくら渡せそうなの?」

 現金の準備を急かしてきたため、詐欺だと確信した職員が警察に通報し被害を食い止めました。

 詐欺被害に遭いそうになった80代の女性:「郵便局の対応に、ものすごく感謝している。本当に声が孫の声だった。優しい声で。『私は引っかからない』と思っていました」

 郵便局に勤める女性:「女性は『孫に渡す、というのを郵便局で絶対に言わないでくれ』と言われていて、ちょっとこれはおかしいなと思って上司に相談した。男との電話の内容を聞いていたら、すごく腹立たしいと思ったので、詐欺被害を止められて良かったと思う。怪しいと思うことを見逃さないように、客とコミュニケーションを図って、詐欺被害を防いでいきたいと思います」

 2022年の北海道内の特殊詐欺の被害額はすでに7億円以上で、2021年の4倍近くです。そして被害者の約86%は65歳以上の高齢者。

 家族や地域で改めて声を掛け合い、被害を防いでいきましょう。

https://www.uhb.jp/news/single.html?id=30042