2022年08月26日07時07分

 有事やインフレに強い安全資産とされる金(ゴールド)の人気が、国内で高まっている。ロシアによるウクライナ侵攻や世界的な物価上昇の影響で、金の小売価格は4月に過去最高値を付け、その後も高水準で推移。販売大手の田中貴金属工業(東京)では、堅調な取引が続いている。

 金1グラムの小売価格(税込み)は年初に7500円前後だったが、2月のウクライナ侵攻後に急上昇。4月に8969円の最高値を付けた。
 世界的指標のニューヨーク金先物相場もいったん上伸したものの、現在は侵攻前の水準に下落。一方、田中貴金属の小売価格は為替の円安急進もあって高止まりし、8500円前後を維持する。
 同社によると、今年初めは値上がりした金を売る顧客が全体の7割超。しかし、ウクライナ危機の収束が見通せないなど不透明感が漂う中、最近は「一度売った後、次の購入機会をうかがう人も多い」(広報担当者)とし、6割超が購入客だ。
 市場価格の高騰はさまざまな金製品にも響く。仏具販売のはせがわでは、仏壇に手を合わせる時に鳴らす「おりん」などの金製仏具は「資産としての性質が強く、金相場に連動する」(広報)といい、年初に比べ8~14%値上がりした。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022082500624&g=eco