2022年9月2日 05:00

 総合スーパーのイオンリテール(千葉市美浜区)は8月30日、浦安市の「イオンスタイル新浦安MONA」に冷凍食品の専門店を開業した。同社として初めて冷凍食品に特化した新業態で、日本最大級となる約1500品目を取りそろえる。新型コロナ禍の外出自粛で内食需要が定着し、便利・簡単といった視点から「よりおいしいもの」を求める消費者のニーズに応えた。

 同社によると、オープンしたのは「@FROZEN(アットフローズン)」。面積は424平方メートルで、イオンスタイル新浦安MONA全体の約半分を占める。生鮮食品・加工食品や総菜売り場と隣接しており、まとめて会計できるという。

 売り場は(1)Heat(専門店の味)(2)Eat(銘店スイーツ)(3)Cook(便利な冷凍食材)-の3コーナーに分類。人気店「俺のフレンチ」や南インド料理「エリックサウス」などの本格メニューから、夕食の一品となるような手軽なミールキットが並ぶ。自社ブランドも取り扱い、毎日の食卓にプチクロワッサン6個入り(税込み321円)などを押し出す。

 買い物時には冷凍食品が溶けないよう、専用保冷バッグと保冷剤の貸し出しサービスを実施する。フロア内の冷凍・冷蔵ケースは既存店に先駆け、環境に配慮した最新モデルを導入した。従来型と比較して消費電力が約60%、排熱量が約80%削減される見通しだ。

 同社の西野克執行役員は、既存スーパーで冷凍食品売り場を広げるにはスペース上、限度があると指摘。「伸びゆく冷凍食品を切り出した。新業態に可能性を感じる」と話した。イオンスタイル新浦安MONAでの販売動向を見ながら、今後の店舗展開を検討する。

 日本冷凍食品協会によると、2021年の冷凍食品家庭用生産量は前年比3・6%増の79万8667トン。飲食店や給食を含む業務用(79万7547トン)を、1960年代の統計開始以来初めて上回った。

https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/971817