安倍晋三の国葬まであと2週間――岸田文雄は後悔している。いつものように「検討する」と言って、
お茶を濁そうと考えていたのだ。副総裁の麻生太郎にすごまれて、思わず折れたせいで、歯車が大きく狂った。

「総理が初めから国葬を開くつもりだったら、安倍さんの死後すぐに半旗を掲げていたはず。
当初は自民党内でも『政府と党の合同葬でいい』という意見が大勢だった。しかし、自身の後ろ盾で
安倍さんの親友でもある麻生さんに『国葬だ』とクギを刺されては、総理も頷くしかなかった」(自民党幹部議員)

弔問外交で、安倍のレガシーを偲ぶ。捻り出したそんな言い訳も空しく、各国首脳は次々に「不参加」の連絡をよこした。

「ドイツは元大統領のウルフ、アメリカは副大統領のハリスが来るというが、各国の三、四番手以下と会っても仕方ないよ。
それに費用が総額16億6000万円、うち警備費がたった8億円というのも怪しい。警察だって今度は絶対に失敗できないんだから、
入念に警護体制を整える。少なく見積もっても30億円くらいはかかるんじゃないか」(別の自民党幹部議員)

岸田政権が高支持率を保っていたのは「何もしなければ批判もされない」という、ある意味で「最強」の戦法をとってきたからだ。
ところが安倍の死という想定外の事態に見舞われ、その方程式は崩れ去った。ある自民党閣僚経験者が言う。

「今、総理が危惧している展開は二つ。同じ宗教絡みの創価学会叩きに発展すること、
そして『日韓トンネル』問題に本格的に火がつくことです。特に統一教会の教祖・文鮮明が提唱した日韓トンネル構想は、
その研究会に麻生さんが顧問として関わっていたし、統一教会の寄付金集めの口実に使われていたとも言われている。

マスコミがこの件を探り始めたと聞いた麻生さんは『もう一段、厳しいフェーズに入るかもしれないな』と、
珍しく弱音を漏らしていました」政権発足から丸1年たたずして、岸田の進退は窮まった。
もはや打開策は、ひとつしか残されていない。総理大臣だけが持つ、政界唯一にして最強の「宝刀」を抜く―
国葬直後に衆院解散・総選挙に踏み切って、すべてをリセットするのだ。
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