※NHK 京都府のニュース

コロナ影響“不当雇い止め”裁判 元パート従業員の訴え退ける
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20220921/2010015575.html

09月21日 17時41分

新型コロナによる業績悪化を理由に不当に雇い止めされたとして、京都市の元パート従業員の女性が、会社側に雇用の継続などを求めた裁判で、京都地方裁判所は「赤字経営などを考慮すると雇い止めが客観的合理性・社会的相当性を欠いたものとは言えない」として訴えを退けました。

京都市伏見区にある和紙加工メーカーに勤めていた元パート従業員の女性は、おととし8月に新型コロナによる業績悪化を理由に会社から雇い止めされましたが、国が給付する雇用調整助成金を活用すれば雇い止めが回避できるなどとして、会社側に雇用の継続などを求めていました。

21日の判決で、京都地方裁判所の光吉恵子 裁判官は「会社は以前から赤字経営が続くなか、コロナで売り上げが落ち込み、ほかのパート従業員にも休業や退職をしてもらっていた。国の助成金の内容や期間も定まっていなかったことなども総合的に考慮すると、雇い止めが客観的合理性・社会的相当性を欠いたものとは言えない」と述べ、訴えを退けました。

一方、会社側が女性に対し、記者会見などで名誉を傷つけられたなどとして損害賠償を求めた訴えについても「原告の立場から見た意見表明にとどまる」と述べ、退けました。

判決後、女性は「このような解雇は絶対あってはならず、今後、悔しさを司法や社会に分かってもらえるようにしていきたい」と話し、代理人弁護士は判決を不服として控訴する方針を示しました。

会社側の代理人弁護士は「雇い止めの正当性を認めた判決で、その点においては妥当だと考えている」とコメントしています。