読売新聞オンライン 9/21(水) 9:50

 北海道が20日に発表した基準地価(7月1日時点)で、道内の住宅地や商業地など1001地点(林地を除く)の平均変動率は前年比プラス1・6%となり、2年連続での上昇となった。住宅地は北広島市を始めとする石狩地方で大幅に値上がりし、道内の地点が上昇率全国10位までを独占した。商業地は3年ぶりに上昇に転じたが、観光地では新型コロナウイルスの影響が続いた。

■住宅地
 全道の住宅地(728地点)の平均変動率はプラス1・8%(前年比1・5ポイント増)と大幅に上昇した。上昇率トップは北広島市共栄町(29・2%)で全国でも1位となった。同市の3地点で全国3位までを占めた。プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場を核とする複合施設「北海道ボールパーク」が来年に完成するためだ。

 札幌市への通勤圏内の石狩地方全体が上昇傾向で、江別、恵庭、石狩の3市の計7地点が20%以上の上昇となり、全国4~10位だった。札幌と千歳市も含めた計6市では、いずれも上昇率が5%を上回った。小樽市は、25年ぶりに上昇に転じた。

 調査した道不動産鑑定士協会の斎藤武也副会長は「札幌中心部は手が届きにくく、比較的安くJRの駅へのアクセスが良好な札幌通勤圏の土地の値段が跳ね上がっている」と分析した。

■商業地
 全道の商業地(258地点)の平均変動率は、前年のマイナス0・6%からプラス0・8%と上昇に転じた。1位は北広島市美沢(25・0%)で、住宅地と同様に恵庭や江別、石狩、千歳市といった石狩地方の9地点が、6位を除いて上昇率の全国10位を独占した。斎藤副会長は「住宅地の需要増加に伴って、商業地の価格も上昇している。マンション用地の需要も堅調だ」と要因を語る。

 一方、観光地は新型コロナの影響が続く。平均変動率で見ると函館市でマイナス1・2%(前年はマイナス2・1%)、小樽市でマイナス0・5%(同マイナス0・8%)、旭川市でマイナス0・5%(同マイナス1・2%)など、いずれも下落が続いた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f7ef7bf2c1f88830fe974d3b0e2d6f66debd4919