0001七波羅探題 ★
2022/10/06(木) 10:03:13.32ID:A46TKVQJ9■賃金差の公表は多方面に影響が及ぶ
今年7月、女性活躍推進法に関する制度改正がなされ、従業員が301人以上の企業に対して男女賃金差の公表が義務づけられました。また来年度からは上場企業を対象に賃金格差のほか女性管理職の比率など、男女格差を公開させることが検討されています。これはとても意義のあることだと思います。日本では今も、総合職と一般職という形で、実質的に男女別の雇用形態をとっている企業も少なくありません。
男女の賃金差が大きい企業の中には、いまだにこうした雇用形態をとっているところが多いと考えられます。賃金差を公表すれば、そうした企業体質があからさまに表れてくるでしょうし、その影響は多方面に及ぶでしょう。
■あえて古い体質の企業を志望する学生はいない
例えば大学生にとっては、男女の賃金差は就職先を選ぶ際の判断基準になると思います。就活前に志望先の賃金差が大きいことがわかれば、「この会社は古い体質なんだな」と知ることができるわけです。
今、あえて古い体質の企業を志望する学生はほとんどいませんから、そうした企業は優秀な学生を採用できないということになってしまいます。それでは企業も困るので、公表義務化を機に改善に取り組み始めるところも当然出てくるでしょう。
男女賃金差が大きい企業を敬遠する傾向は、今後、特に女子学生で顕著になりそうです。僕はこの4月から女子大学で教壇に立っています。前期を終えて得た感触としては、今は女子学生のうちかなり多くの人が「自分で働いていかなければいけない」という認識を持っているようです。
昔は高収入の夫がいればそれほど一生懸命働かなくてもよかったけれど、今は男性もそんな高収入は望めない。その点を十分に理解していて、だから自分が就業を継続していかなければならないと考えているのです。
つまり、今の女子学生の多くは、何となくでも「定年まで働くしかなさそうだ」という認識を持っているのです。そうした学生たちが、女性だから賃金が上がらない、女性だから管理職になれないといった企業を選ぶとは思えません。その点を判断する上で、男女賃金差はとても重要な指標になるはずです。
■男女賃金差が大きい企業を男子学生も敬遠する納得の理由
一方、男子学生はどうでしょうか。過去に共学の大学で教えていた経験から言えば、賃金差の大きい企業は男子学生からも敬遠されるでしょう。なぜなら、男性は総合職、女性は一般職と区別されていて賃金差が大きい企業を、今の男子学生は「男が無理に働かされる環境」と捉える傾向が強いからです。
昭和の時代のように、男性だという理由だけで転勤も残業も含めて無限定に働かなければいけないのかと感じるのです。今の男子学生の多くは、「男女の賃金差が大きい=男性が昇進しやすくて有利な環境」とは考えません。「男女の賃金差が大きい=男性にとってもしんどくて不利な環境」と考えるのです。このあたりの価値観は、昭和生まれの世代とは大きなギャップがあるのではないかと思います。
※以下引用先で
プレジデントオンライン2022/10/06 8:00
https://president.jp/articles/-/62200