宮城県石巻市のベトナム人技能実習生3人がパワハラを受けた勤務先から一部賃金が払われず、退職も強要されたと訴えている問題で、個人加盟の労働組合仙台けやきユニオン(仙台市)は14日、会社側が解決金や未払い賃金などを支払うことで実習生側と和解したと発表した。

 ユニオンによると、3人は石巻市の水産加工会社で勤務していた2019年10月以降、役員から日常的に怒鳴られ、就業時間前の掃除などを求められたが、賃金は支払われなかった。今年2月、ささいなミスを理由に退職を迫られた。

1人は作業中に指切断
 和解内容は、会社側が未払い賃金として1人約45万円、パワハラの解決金として1人約10万円などを支払う。作業中に指を切断した1人には、一部未払いだった労災補償金約120万円を払う。宮城県庁で記者会見したユニオンの森進生代表は「労災は泣き寝入りのケースも多く、適切に補償された意義は大きい」と話した。

 この問題では、外国人技能実習機構仙台事務所が3人に加盟するユニオン脱退を促し、ユニオンが4月に事務所に対応の是正を申し入れた。事務所はその後、不適切対応を認める文書をユニオンに送付した。

河北新報 2022年10月15日 8:20 更新
https://kahoku.news/articles/20221014khn000078.html