維新またも「大阪府外の壁」 兵庫の首長選5連敗、吉村氏「力不足」

 20日に投開票された兵庫県尼崎市長選で、日本維新の会が公認した候補が、自民党や立憲民主党、共産党といった非維新勢力が支援した前市教育長の松本真氏(43)に約2万7000票の差をつけられて敗北した。維新はこれで兵庫県内の首長選は5連敗。大阪以外で初の公認首長誕生という目標は、またも「大阪府外の壁」に阻まれた。

 「力不足に尽きる。まだ地力が足りない」。21日、記者団の取材に応じた維新の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は淡々と敗因を述べた。来春の統一地方選への影響はないとしつつ、「自民から共産まで一致団結したら選挙は強い。もっと地道に活動を積んでいく必要がある」と振り返った。

 市長選は維新の新人と、稲村和美市長が後継指名した松本氏=無所属=の一騎打ちに。全国政党化を目指す維新は馬場伸幸代表や吉村氏ら党幹部が次々に現地入りし、党を挙げて支援した。一方、維新の勢力拡大を警戒する他党は「維新包囲網」を敷いて対抗した。

 選挙に明確な争点は見当たらず、維新は大阪との連携を訴えるなどしたが「有権者には響かなかった」(党関係者)。関係者によると、「自主投票」としていた市議会最大会派の公明党の票の多くが松本氏に流れたとみられることも影響したという。結果は松本氏が7万5000票超を獲得して勝利した。

 自身も応援に入った維新の松井一郎前代表(大阪市長)は「32%の低投票率で関心を高められなかった。政策がバラバラなのに全党が相乗りするのはおかしいと分かってもらうためにも、維新は戦い続けるべきだ」と非維新勢力の連携を皮肉った。【澤俊太郎、松本紫帆】

毎日新聞 2022/11/21 17:54(最終更新 11/21 18:14)
https://mainichi.jp/articles/20221121/k00/00m/010/179000c
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