秋田市外旭川地区で、市とイオンタウン(千葉市)が進めるまちづくり構想について、13日開かれた市議会総務委員会で議論が交わされた。同地区内での大型集客施設の建設を規制する市条例の存在について市がこれまで説明を怠ったことに対し、委員の市議から批判が相次いだ。

 この問題は、同地区内で床面積1万平方メートル超の集客施設の建設を禁止する条例がありながら、市は規制地域での施設建設を提案したイオンタウンを選び事業パートナーとしたもの。イオンタウンも規制を承知していたという。市は条例について審査の結果報告でも触れず、有識者や住民代表らでつくる「まちづくり懇話会」にも伝えていなかった。

 委員会では厳しい指摘が相次いだ。小松健市議は「こうした規制があるかないかで、提案する事業者も計画が変わってくる。条例による規制は重要な要素。自ら作った規制を示さないのはいかがなものか。議会や懇話会に示さなかったのも、違法ではなくても信義則に沿っているのか」。見上万里子市議は「条例を制定して特別用途地区に指定するため、市は住民説明会で説明している。(まちづくり構想で)その区域の用途をまた変える必要があるなら、もっと責任を持って臨むべきだ」などと追及した。

 これに対し、市まちづくり戦略室の多可和幸室長は「公募の手続き自体に問題はなかったと認識している」と答弁。一方で、「条例名を具体的に書いていなかった。その部分に関してはご指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後は十分に配慮します」と述べた。

 市は来年2月の懇話会でまちづくり構想の基本構想案を示し、今年度中に基本構想を策定する方針だ。(井上潜)

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