●初競り、市場沸く

 奥能登産原木シイタケの特秀品「のとてまり」の初競りは16日、金沢市中央卸売市場で行われ、最高級の「プレミアム」の1箱(8個入り・500グラム)が31万5千円で競り落とされた。2021年、20年の26万円を上回り、過去最高値を2年ぶりに更新し、場内が沸いた。

 きり箱入りのプレミアムの8個は、珠洲焼の皿に盛り付けられて競りに掛けられた。最高値が付くと、場内は大きな拍手とどよめきに包まれた。

  ●金沢のホテルで提供

 金沢市のホテル「ハイアットセントリック金沢」の依頼を受け、同市の青果店「サカイダフルーツ」が競り落とした。17日以降のディナーでコウバコガニと組み合わせてグラタンとして振る舞う。同ホテルの市塚学総料理長(57)は「味わい深く、香ばしいのとてまりの魅力を皆さんに伝えたい」と話した。

 プレミアム以外の6個入り1箱、8個入り2箱の計3箱には3万3千〜4万5500円の値が付いた。

 プレミアムは21年、20年と首都圏の飲食店が購入した。奥能登原木しいたけ活性化協議会は、関東での人気拡大と、22年の石川県産ブランド農林水産物「百万石の極み」認定などが価格高騰の要因とみている。樋下義勝会長(77)は「高値を付けていただけるのは大変ありがたいことだ」と目を細めた。

 市場デビュー12年目を迎えたのとてまりの規格は、原木シイタケ「のと115」のうち、かさの直径8センチ以上、肉厚3センチ以上、かさの巻き込み1センチ以上となっている。中でも特に形が優れ、肉厚4センチ以上がプレミアムに認定される。のとてまりと、のと115は23年3月末までに計3万8千個の出荷を見込む。

北國新聞
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