子ども送迎バス置き去り 再発防止へ保育所の補助金拡充で調整
2022年12月18日 0時43分 NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221218/k10013926561000.html

子どもが送迎バスに置き去りになる事件が相次いだことなどを受けて、政府は、保育現場の人手不足を解消して再発防止につなげようと、保育士の目が届きにくい、大勢の子どもを預かる保育所に対する補助金を、来年度から拡充する方向で調整に入りました。

子どもの置き去りは、去年、福岡県で5歳の男の子が保育所の送迎バスに取り残されて熱中症で死亡したほか、ことし9月にも、静岡県で3歳の女の子が認定こども園の通園バスに取り残されて死亡するなど、各地で相次いでいます。

政府は、再発防止に向けて保育現場の人手不足を解消するため、保育士の目が届きにくい大勢の子どもを預かる保育所が、追加で保育士を雇えるよう、来年度から補助金を拡充する方向で調整に入りました。

具体的には、4歳以上の子どもを預かる保育所のうち、保育士1人が見る子どもの人数が、25人以上となっている保育所を対象とする方向です。

このほか、保育所や幼稚園、それに認定こども園が、登園などの忙しい時間帯に、保育士以外のアルバイトなどの職員を雇用できるようにする事業も創設する方向で検討が進められています。

政府は、今後、関係省庁で協議した上で、必要な経費を来年度予算案に盛り込む方針です。

小倉少子化相「保育現場の多忙解消を」
こども政策を担当する小倉少子化担当大臣は、NHKの取材に対し、「静岡県牧之原市で大変痛ましい事故が起きた。去年7月に福岡県でも同様の事案が発生し、自治体に通知を出すなどして対応したにもかかわらず、このようなことが再び起きてしまい、強い危機感を持って対応しなければいけないと思った」と述べました。

その上で、「置き去りが発生する前から、関係者からは『人手不足で業務が多忙を極めている』とか『子どもの安全に目配りをする人員の余裕がない』という声があった。1歩でも現場の業務の多忙さを解消できるような取り組みを行い、1人1人の園児に目配りができるような業務上のゆとりをつくりたい」と述べました。