活動を通して奈良県民に元気や感動を与えたり、県の魅力をPRしたりしてきた個人や団体を表彰する「第13回あしたのなら表彰」の特別賞に、NPO法人「無戸籍の人を支援する会」(奈良市)が選ばれた。全国で無戸籍者の就籍や住民票取得を目指す、代表の市川真由美さん(55)の活動が評価された。

 学識経験者ら委員が、書類審査などを経て選んだ。

 市川さんは同市でイベント用品販売などを手がける「いち屋」を営む。2016年、従業員だった20代の女性が無戸籍だったことが分かった。彼女が戸籍を取るまで支えたのをきっかけに活動を始め、18年にNPO法人化した。17日の表彰式で市川さんは「表彰を受けたことで、無戸籍の現状を知って応援してくださる方が増えることをうれしく思う」と話した。

 そのほかに表彰を受けたのは、自転車競技者の河野翔輝さん▽奈良観光コンシェルジュの友松洋之子さん▽一般社団法人「地域の未来創造機構」の砥綿千恵さん▽映像作家の保山耕一さん▽南奥駈(おくがけ)道を整備する「新宮山彦ぐるーぷ」。(渡辺七海)

法務省の統計は793人、でも実態は多いと感じる
 これまで無戸籍だった7人を就籍(戸籍に記載されること)につなげた、無戸籍の人を支援する会の市川真由美さん(55)。無戸籍の現状や支援について聞いた。

 ――法務省の統計では、無戸…(以下有料版で,残り1479文字)

朝日新聞 2022年12月18日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQDK5PXFQDKPOMB00B.html?iref=comtop_7_04