中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、企業活動への影響が加速している。
北京などの北部を起点として感染の波は全国に広がり、上海に近い長江デルタを含む製造業地帯の労働力を圧迫している。

小売業や金融サービス業は深刻な人手不足に見舞われているが、製造業も同様の状況だ。

カナダ・中国ビジネス協会の代表、ノアー・フレーザー氏は「小売業や顧客対面式のセクターは苦境に陥っている。
当然ながら、感染症によって働ける人員が限られているため、大規模な小売業の多くは開店さえしていない」と語った。

フレーザー氏は「感染者数は大都市以外でも増加し始めている。これはもちろんウイルスが移動しており、さらに混乱が広がることを意味する」と話した。

日本の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスは新型コロナ感染者の増加を受け、16日から19日まで北京工場の操業を停止した。

欧州連合(EU)商工会議所(中国)のヨルグ・ウトケ会頭は「工場を完全に閉鎖したり、生産を一部縮小したりするケースがみられる」と述べた。
ゼロコロナ政策の実施中、多くの工場は従業員を外界から遮断する「バブル方式」を採用していたが、それが崩れ、従業員が感染し始めているとウトケ氏は話した。

ある大手自動車メーカーの上席幹部は、感染が拡大する中で専門のスキルを持つ職員が工場で働き続けられるようにすることは、数多くある課題の1つに過ぎないと語る。
「もしもトラック運転手に問題が生じれば製品を工場に届けられず、工場は自動車を販売店に届けられず、業界全体の供給網が影響を受ける」という。

大型トラックセクターで働くある管理職は、自分が話をするディーラーは既に感染しているか、感染している家族の心配をしている状況だと話した。

「基本的にすべてが止まっており、ビジネスらしいことは何一つできない」

https://jp.reuters.com/article/china-covid-idJPKBN2T606B