13日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇(価格は下落)し、一時0.53%と日銀が上限とする「0.5%程度」を上回った。2015年6月以来の高水準。日本でも物価上昇が続くなか、長期金利の適正水準は現状より高いとみて国債を売る動きが続いている。17~18日の金融政策決定会合で日銀が政策修正に動くとの思惑が国債売りを促している。

日銀の上限超えは上限を従来の「0.25%程度」から広げた22年12月20日以降では初めて。旧上限も含めると22年10月20日以来の上限突破となった。1月10日に総務省が発表した東京都区部の22年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率が4.0%と市場予想を上回り、日銀の政策修正観測が強まった。

日銀は毎営業日に10年債を0.5%で無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」を実施しており、本来は0.53%で市場に売るより日銀に0.5%で売却した方が高く売れる。ただ日銀の政策修正による金利上昇観測が強いなか、少し損をしてでも国債の売り持ちを構築して政策修正に備える動きが市場金利を押し上げた。

日本経済新聞 023年1月13日 9:11
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB065K30W3A100C2000000/