「ヤミ金?」30分もせず口座に1万円、気がつけば月30万円返済…「先払い」装う違法資金
2023/01/21 16:24 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230119-OYT1T50128/


インターネットの中古品買い取りで、業者が先に現金を振り込む「先払い買い取り」を装って、違法に貸金業を営んでいたとして、茨城県警が男11人を逮捕した事件。ネットで簡単に申し込め、すぐ現金を入手できる手軽さから県内外に1万人以上の利用者がいた実態が明らかになった。過去にこの手口で現金を借りた男性2人が取材に応じ、巧妙な手口や返済のために借金を重ねた苦しい経験を語った。

簡単に現金

「即日買い取り」「商品が無くても振り込みます」

大阪府の40歳代の男性会社員は2021年9月、そんなうたい文句の中古品買い取りサイトを見つけた。趣味のギャンブルで生活費を使い込み、すぐに現金が必要だった。「いい年をして家族にも迷惑をかけられない」。ネット上で評価が高かった2社に申し込んだ。

手続きは簡単だった。無料通信アプリ「LINE」でやりとりし、指示されるがまま、身分証や給与明細などの写真を送った。その後、業者から「初回は1万円」と言われ、業者のサイトに示された買い取り商品の中からスマートフォンの画像を選択。30分もしないうちに口座に現金約1万円ずつが振り込まれていた。

借金目的で商品は元から送る気はなかった。1週間が過ぎても商品が送付されなかったとして、男性は2社から違約金を含めて計約4万円を請求された。「ヤミ金かもしれない。でも給料日になれば支払える。1回きりだ」

手取り月収が少なく、4万円を支払うと生活のやりくりができなかった。結局、再契約や別の業者との新規契約を繰り返し、翌年1月までに先払い業者7社を計約30回利用した。気が付くと毎月の返済額は30万円ほどにふくれあがっていた。

「冷静に考えれば雪だるま式で増えていくはずなのに、早く工面したい一心で感覚がマヒしていた。気軽に手を出すべきではなかった」。男性は後悔をにじませた。


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