※2023年2月16日 19:01
日本経済新聞

香港政府は16日、2022年末の人口が733万3200人となり、1年前と比べて6万8300人(0.9%)減ったと発表した。人口減少は3年連続。出生数が死亡数を下回る自然減に加え、海外への純流出は6万人だった。政府は今後、新たなビザ(査証)制度などを通じて年3万5000人の人材誘致をめざす。

人口変動の内訳は自然減が2万9500人、中国本土からの移住による増加分が2万1200人、海外への流出から香港への流入を差し引いた純流出は6万人だった。

20年の香港国家安全維持法(国安法)施行による愛国教育や、厳格な新型コロナウイルス対策を嫌い、海外移住が続いたとみられる。

香港の人口は02~03年の一時期を除いて増え続けていたが、20年に減り始めた。目立つのは出生減と海外移住だ。22年の出生数は3万2500人で、19年の5万2900人から4割近く減った。政府には海外移住の統計がないものの、一時的な移動を含めた人口の流出超過が止まらない。

英国政府はこのほど、21年に始めた香港市民向けの移住制度で14万4500人を受け入れたと発表した。英国海外市民(BNO)パスポートを持つ香港人に就労を認め、将来的には永住権の取得を可能にする内容だ。教育環境を重視する子育て世帯の移住が目立つ。カナダ、オーストラリア、シンガポールなども有力な転出先となっている。

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