日本銀行の次期総裁候補として政府が提示した植田和男氏(71)に対し、参院議院運営委員会で27日、所信聴取と質疑が行われた。自民党の安倍派幹部から、第2次安倍政権の経済政策「アベノミクス」路線の継続を迫られる場面もあったが、これまで通り緩和を当面続ける姿勢を示す一方、金融政策を修正する可能性も否定しなかった。

 安倍派幹部の世耕弘成参院幹事長が質問に立ち、アベノミクスを継承するかどうかを尋ねた。植田氏は、「(政府・日銀が13年に発表した)共同声明に入っている(物価上昇の)2%目標を続けるという意味で、踏襲する」と説明した。今の金融緩和については、物価の安定的な2%上昇をめざす日銀の目標実現にまだ時間がかかるとして、「継続することが適切だ」と述べた。

 一方、日銀の緩和策の柱の一つである、長期金利を低く操作する政策「イールドカーブ・コントロール」を、2%目標の達成まで続けるか問われると、「(昨年12月の日銀の政策修正で)市場機能の低下を防ぐ効果がどれくらいあるか見極める」と説明。市場機能の改善がみられなかった場合の対応を問われ、「どういう措置が可能か、色々な可能性がある。具体的なことを申し上げるのは差し控える」と述べ、修正する可能性を否定しなかった。

 また、2%目標を維持すべき…(以下有料版で,残り172文字)

朝日新聞 2023年2月27日 20時30分
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