2行はそれぞれの戦略を継続したい考え、最後の手段と見なす
強制的な提携、クレディ・スイス分割含むシナリオの検討は継続

スイスの銀行、UBSグループとクレディ・スイス・グループは強制的な統合に反対していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ただ、政府の仲介で両行の提携を計画するシナリオは続いているという。

  非公表の協議内容だとして匿名で語った関係者によると、UBSは単独でのウェルスマネジメントを中心とした自行の戦略に注力したい意向で、クレディ・スイスに関連したリスクの引き受けを渋っている。

  一方、クレディ・スイスはスイス国立銀行(中央銀行)から流動性支援を確保できたこともあり、再編計画を貫徹する時間を求めているという。

  UBSによるクレディ・スイスの吸収はさまざまな障壁があり事業が重複することから、両行とも最後の手段と見なしていると関係者は述べた。両行と政府はあらゆるシナリオを検討中で、流動性支援以外にどのような追加措置を取ることになるかまだ分からないという。

  UBSとクレディ・スイスはコメントを控えた。スイス政府は電子メールによるコメント要請に今のところ応じていない。

  キアン・アボホセイン氏らJPモルガン・チェースのアナリストは、クレディ・スイスのトラブルは最終的に他社による買収に至る可能性が最も高いと述べ、買い手候補にUBSを挙げた。

  クレディ・スイスとスイス当局が最近行った協議では、選択肢の一つとして両行の提携が話し合われたと事情に詳しい複数の関係者が今週述べていた。

  キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリストらも流動性支援措置が発表された後に「ばんそうこう」と題するリポートを著し、同措置は時間稼ぎにはなるがクレディ・スイスの分割が最もあり得る解決策だと指摘。モーニングスターも再度の増資か分割が選択肢だろうとの見方を示した。

Bloomberg 2023年3月17日 3:00 JST 更新日時 2023年3月17日 4:14 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-16/RRMKB0DWLU6801