全国的に人気のコンビニエンスストア「ミニストップ」が中国地方5県に1店もない。人気ランキングサイトでローソン、ファミリーマート、セブン―イレブンに続く4位なのに…。出身地の香川県で親しんできただけに、記者にとっても何だか物足りなさがある。ツイッターでも「広島にもできてほしい」とのコメントが。なぜ、ないんですか? ミニストップ(千葉市)の担当社員に尋ねてみた。
ミニストップはイオン傘下で、店内調理のファストフードが人気だ。フライドポテトやチキン、濃厚なソフトクリームなどのオリジナルメニューの豊富さが最大の魅力だろう。ほぼ全ての店舗にイートインスペースがある。
2月末時点で国内1907店舗、海外137店舗。確かに、セブン―イレブンの国内2万1402店舗、ファミリーマート同1万6533店舗といった大手に比べ、10分の1程度の店舗数だ。でもなぜ、中国地方全体が空白地帯なのか。
担当社員は「可能な範囲で」と断りながら、そのわけを語ってくれた。「店舗が全くなく、仮に出店するなら新しい物流網を作る必要がある。コストを考えると難しいんです」。実は、進出を検討しながら断念した経緯があるという。
国内の配送センター約10カ所のうち、近畿と九州北部エリアから運べないのか。「考えてみたが、届けられるエリアに限界がある。輸送に時間がかかると、賞味期限が短い商品を販売できる期間も短くなり、売り上げに響く」(担当社員)という。
「みんなのランキング」調べのコンビニ人気ランキング(全11店)では、ローソン、ファミリーマート、セブン―イレブンに次ぐ4位。25歳の記者も高校時代、部活帰りに友人と立ち寄ってパフェやポテトを味わったものだ。
「テレビ番組に出たりコマーシャルで流れたりすると『近くにない』『作ってほしい』と意見を頂くのですが…」と担当社員。進出済みの地域では今も店舗を増やしているが、中国地方への出店計画はないという。
人気商品を味わうチャンスはある。通信販売だ。昨年夏、公式ホームページで「Xフライドポテト」や中華まんなど約10種類の冷凍食品の販売が始まり「店と同じ感じで楽しめる」「家の近くに(店が)ないし、また買おう」などの声が寄せられた。
広島市から最寄りの店舗は愛媛県西条市高田の西条高田店か、香川県宇多津町の宇多津町店。車で約2時間半の道のりだ。香川に帰省したときは立ち寄ろうと思う。

中国新聞 2023/03/18/16:00
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/281321