0001Gecko ★
2023/03/26(日) 10:44:27.21ID:BBY+27rj9体内からウイルスがほぼ消えてから3年近くたったいまも,ゴームリーは体調不良に苦しんでいる。すぐに疲れ,心拍が急に速まり,集中できず頭がぼんやりする時期がたびたび繰り返す。ほぼ毎日を暗い室内で休んで過ごすか,多くの医師の診察を受けに行く。
パンデミック初期に感染して現在も不調が続いている彼女は,いわゆる「ロングCOVID」の症状を呈した国内で最初の人々のひとりだ。この後遺症は感染から3カ月以上,ときには何年も体調不良が続く。専門家の間では「新型コロナウイルス急性感染後後遺症(PASC)」と呼ばれている。
症状には痛みや極度の疲労,集中や物事の想起が難しい「ブレインフォグ」などがある。米国では2022年2月時点で約1600万人の成人が後遺症を患い,200万?400万人が仕事ができない状態だったと推定され,その多くはまだ職場復帰を果たしていない。その他の点では健康な若者に後遺症が生じることがしばしばで,コロナ感染が軽くても起こりうる。COVIDで入院した人や高齢者(高齢者は入院する例が多い)は,後遺症のリスクが少し高くなるようだ。喫煙者や肥満者,その他の健康問題(特に自己免疫疾患)を抱えている人に加え,社会経済的に不利な立場にある女性も後遺症のリスクが高い。ワクチン接種はリスクを下げるようだが,完全には防げない。
一般的な長期症状のほとんどは神経的なものだ。多くの人が,記憶力や注意力の低下,睡眠障害,気分障害などの形で認知的な機能不全を経験している。他方では,脳よりも体に原因があるように思える症状もある。疼痛や,軽い運動をしただけでへとへとになる労作後倦怠感(PEM)などだ。だが,これらも神経の機能不全に由来しており,自律神経系の不調によることが多い。
続きは2023年5月号の誌面をどうぞ。
https://www.nikkei-science.com/202305_078.html