物価高が進む中、本の値上がりが加速してきた。新刊書籍の税抜き本体価格の平均は、2022年に前年比2・2%上昇し1268円となった。上昇は11年連続で、この間に計159円高くなった。特に近年は資源やエネルギーの価格が高騰し、製紙に加え印刷、輸送のコストが膨らんでいることが大きな要因だ。読書にかかる家計の負担感が重くなってきた。

 出版科学研究所(東京)によると、21年の上昇率は2・8%に達し、25年ぶりの大きさだった。その後もロシアによるウクライナ侵攻や為替市場の円安進行で、コストは高騰を続けた。英語の教科書などを販売しているいいずな書店(東京)は昨年11月、一部の参考書を値上げした。


 ただ、資源やエネルギーの価格上昇だけが要因ではないようだ。インターネットを使った娯楽の普及などで販売部数の落ち込みが止まらず、出版社が少ない部数でも利益を確保するため、値上げを続けてきたという事情もある。(共同)

毎日新聞 2023/4/8 14:00(最終更新 4/8 14:00) 402文字
https://mainichi.jp/articles/20230408/k00/00m/040/040000c