読売新聞2023/04/18 07:50
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230418-OYT1T50063/

札幌市西区で車が暴走して3人が死傷した事故で、北海道警は17日、運転していた同区の無職の女(80)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで札幌地検に書類送検した。時速130キロ以上に達し、女は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と供述しているという。

発表によると、女は昨年8月1日午前9時20分頃、同区西野の交差点で、青信号の横断歩道を自転車で渡っていた女性(当時70歳)をはねて死亡させた疑い。直後に約1・5キロ離れた同区発寒の交差点で、対向車線の乗用車に正面衝突し、計5台を巻き込み、乗用車の男性ら2人に重軽傷を負わせた。道警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

女の車は最初の交差点に時速約50キロで進入。その後加速し、次の事故現場付近では130キロ以上の速度が出ていたという。ブレーキが踏まれた形跡などはなく、女は「踏み間違えて最初の事故を起こし、パニックになった」などと説明している。太ももを骨折して入院し、道警が在宅で捜査を続けていた。

道警交通企画課によると、過去5年(2018~22年)の道内の交通事故の死者数は減少傾向で、19年は152人だったが22年は115人。一方、このうち65歳以上の高齢ドライバーが起こした事故による死者の割合は増加傾向で、18年の28%に対し、昨年は33%だった。

高齢ドライバーによる人身事故のうち、ブレーキとアクセルを踏み間違えた事故は過去5年で223件発生。20人が死亡し、266人が負傷しているが、「物件事故を含めると数はもっと多い」(同課)という。

高齢ドライバーの免許の自主返納を受け付けており、昨年は約1万6200人が返納した。道警は「運転に不安がある場合は、返納してほしい」と呼びかけている。

https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/04/20230418-OYT1I50027-1.jpg