仙台市泉区で2018年11月、寺岡小2年女子児童へのいじめを苦に母親が児童と心中したとみられる事件で、遺族は26日、市教委の第三者機関による答申内容を不服として、いじめ防止対策推進法に基づく再調査を郡和子市長に求めた。市は再調査するかどうかを検討する。

 遺族が同日、市に要望書を提出した。要望書では、学校や市教委が市いじめ問題専門委員会に提出した資料の信頼性を疑問視。専門委がまとめた答申書は遺族の主張と食い違う部分を含む資料を基にしているとして「調査が不十分。改めて公平な立場で検証してほしい」と訴えた。

 専門委の答申に関して(1)いじめと心中の因果関係(2)加害児童や保護者への学校・市教委の対応(3)心中に関する学校・市教委の責任-が明らかになっていないと主張。再調査委への諮問事項に加えるよう求めた。市側と遺族推薦の委員を同数にすることや議論の公開も要望した。

 要望書を受け取った白山幸喜こども若者局長は「市教委の調査が尽くされていたかどうかを含め、再調査の必要性を精査したい」と述べた。

 専門委は22年12月に「いじめ重大事態との判断が適当」とする答申書を市教委に提出。市教委はいじめが原因の不登校重大事態と認め、23年2月に専門委に改めて諮問した。専門委は3月に前回の内容を踏襲した答申書を市教委に出した。

 仙台市内では泉区の南中山中2年男子生徒が16年に自殺した事案を巡り、いじめ防止法に基づく市の再調査が行われている。

河北新報 2023年4月27日 6:00
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