4/28(金) 19:47配信
読売新聞オンライン

 ソニーグループが28日発表した2023年3月期連結決算(国際会計基準)で、売上高は前期比16・3%増の11兆5398億円と過去最高となり、初めて10兆円を超えた。家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」や音楽といったエンターテインメント関連事業が大きく伸び、円安も追い風となった。

 SMBC日興証券によると、売上高10兆円と営業利益1兆円を同時に達成したのは、日本の電機業界で初めて。 本業のもうけを示す営業利益も0・5%増の1兆2082億円と過去最高を更新した。最終利益は6・2%増の9371億円だった。 事業別では、ゲーム関連の売上高が33%増と好調だった。半導体不足から回復し、PS5の販売台数は1910万台と前期より800万台増えた。音楽関連では有料のオンライン再生サービスが好調で、売上高は24%増だった。

 一方、24年3月期の業績予想では、売上高は0・3%減の11兆5000億円、最終利益は10・4%減の8400億円で減収減益とした。テレビの販売台数の減少や、ゲーム関連での開発費の増加を見込む。

 4月に就任した十時裕樹社長COO(最高執行責任者)は28日、オンラインで開いた説明会で「事業を成長させ、企業価値を高め、社会に還元する好循環を生み出していく」と述べた。

 ソニーは安定的に収益を稼げる体質への転換を進めたほか、コロナ禍の巣ごもり需要も追い風となり、業績を伸ばしている。過去には薄型テレビの販売不振などで苦しんだが、2000年代に売上高の約7割を占めた家電事業は、現在では2割ほどに下がっている。

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