ロシア国防省は5日、セルゲイ・ショイグ国防相が露軍南部軍管区の司令部を視察し、ウクライナ侵略で使う兵器や装備の準備状況を確認したと発表した。ウクライナ軍による大規模な反転攻勢を前に、露軍の準備態勢が整っていることを示す狙いとみられる。

 ロシアは一方的に併合したウクライナ東部と南部の4州を南部軍管区に組み込んでいる。発表によると、ショイグ氏は最近任命されたアレクセイ・クズメンコフ国防次官(補給担当)から、最前線に送られる戦車や装甲車について説明を受けた。

 国防次官の交代は補給面の問題が背景にあったとの見方が出ていたため、今回の視察で疑念の 払拭ふっしょく を図ったとみられる。ショイグ氏は南部軍管区の司令部で、現地部隊の司令官らと今後の方針について協議した。

 一方、露軍は併合した地域の住民を強制的に移住させる動きを強めている。ロシアが一方的に任命した南部ザポリージャ州の「暫定知事」は5日、ウクライナ軍の砲撃を回避するため、併合地域の一部住民を戦闘の最前線から離れた地域へ移動させると発表した。

 対象は18集落の計約7万人に上り、露軍が占拠しているザポリージャ原子力発電所があるエネルホダルなどの住民が含まれている。

読売新聞  2023/05/06 10:46
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230506-OYT1T50085/