JR久留里線のうち、千葉県君津市内にある久留里―上総亀山の区間について、県と市、JR東日本千葉支社は11日、代替の交通手段のあり方などを話し合う検討会議の初会合を開いた。
この区間は巨額の赤字が続いており、バス転換などを含めた協議が本格化する。ただ、沿線では「地域の足」の存続を求める署名活動も進んでおり、JR東は「存続、廃線を含め、一切の前提を置かない」と強調している。(丸山雅樹、尾藤泰平)

課題を確認 利用者減少が深刻なJR久留里線の車両(9日、君津市藤林の上総亀山駅で) 11日は、地元の自治会長や交通システムの有識者らも会合に参加し、この区間の現状や課題を確認した。
出席者によると、ある自治会長は「心象風景にある鉄道を残してほしいが、利用者が減り、自分の中に迷いがある」と複雑な心境を語ったという。
市やJR東は今後、地元向けの住民説明会を開く方針だ。
JR東の担当者は11日の会合後、記者団に「丁寧に議論を進めていきたい」と語った。 検討会議は、JR東が県などに申し入れて実現した。
赤字を理由にローカル線の存廃を地元自治体などと話し合うのは、JR東としては初めてだ。検討会議の関係者は「もし廃線になれば、代わりの交通機関の利便性や、JRによる地元支援のあり方がポイントになるだろう」との見方を示す。

赤字止まらず

JR東によると、100円を稼ぐためにどれだけの費用がかかったのかを示す2021年度の「営業係数」は、この区間は1万9110円だった。JR東が21年度に収支を公表した全国35路線・66区間の中で最悪の水準だった。 1912年に開業した久留里線のうち、この区間の距離は9・6キロで、全体の3分の1ほどを占める。2021年度の営業費用は2億8100万円だったのに対し、収入は100万円にとどまった。1日あたりの平均利用者数は55人で、30年ほど前から9割減少している。 JR東はこの区間の現状を「鉄道の特性である大量輸送のメリットを生かせていない」としている。乗客がいないのは、JR久留里線の沿線で人口が減少しているためだ。
路線が房総半島の中央部で、「行き止まり」のような形で途切れていることも影響している。

5/13(土) 6:33
https://news.yahoo.co.jp/articles/843e1199dfcff87f6ace4bad19e84d5c78d33744

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