日本経済新聞2023年6月2日 18:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC01AFZ0R00C23A6000000/

厚生労働省が2日発表した2022年の人口動態統計によると、東京都の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)は1.04と21年比で0.04ポイント低下し、全国で最も低かった。過去最低だった05年などの1.00よりは高いが1.24だった16年以降、低下傾向にある。

神奈川県は21年比0.05ポイント減の1.17で過去最低を更新した。05年の1.19から徐々に上昇し15年には1.39となったが、その後は低下が続く。県内の平均初婚年齢は男女ともに全国平均を上回り晩婚化の傾向もあるため、県は7月にも婚活支援「恋カナ!プロジェクト」の第1回のイベントを開く。

埼玉県も前年比0.05ポイント減の1.17となった。県は結婚と子育ての両面で支援に力を入れる。18年に開設した結婚支援サービス「SAITAMA出会いサポートセンター」は累計1万5千人以上が登録。350組以上の成婚につながった。23年度から子供が生まれた家庭に赤ちゃん用玩具など最大1万円分を贈る「コバトンベビーギフト」を始めた。

千葉県は1.18と21年から0.03ポイント下がった。県がまとめた21年の市町村別の出生率をみると、流山市や印西市は全国平均の1.26を上回る。流山市は育児の悩みや不安を話し合う「子育てサロン」を市内各所で展開するなど、共働き夫婦への支援を強化してきた。一方、銚子市や山武市など1を割りこんだ市もあった。